都内で働く30代の試行錯誤

田舎での生活に憧れています。 息子(0歳)がいます。

「ナナメの夕暮れ」を読みました

読んだ本

『ナナメの夕暮れ』

著:若林正恭(オードリー)

オードリー若林の6年間の集大成エッセイ
「おじさん」になって世界を肯定できるようになるまで

↑ このキャッチフレーズが最高‥

books.bunshun.jp

 

読むきっかけ

子育てを始めてからラジオを聴くようになりました。

子育て中のラジオ(radiko / Podcast)のすすめ - 都内で働く30代の試行錯誤

 

オードリーのオールナイトニッポンを聴くようになって、若林さんの言動に笑わせてもらっています。考え方や物事の捉え方に自分に近しいものを感じる(ネガティブ)のに、なぜかアウトプットが朗らかで「若林さんってこういう人だっけ?もっと斜に構えていなかったっけ?」と興味が湧きました。

そんな時分に「おれだけ東京ドームが見えない側の部屋だった!水道橋駅しか見えなくて これでどうやってエッセイ書くんだよ!!」とお怒りになっているのを聞いて、エッセイを書いていることを知り、検索して読みました。

 

感想

最近読んだ本の中で、一番心を揺さぶられる本でした。3月上旬に読み、1か月以上経った今も新鮮に自戒になっています。

 

自分の人見知り・大人数で集まることが苦手な本当の理由に気付かされました。

他人の正解に置きに行くと、例えばその場に人数が多い時に、どの人の正解に置きに行っていいかわからなくなり、キョロキョロおどおどすることになる。だから、僕は人数の多い飲み会が苦手なのだ。

 

不良に「若ちゃんも紅茶飲む?」と聞かれた。それを聞いた時の不良の感情が読み取れなかったので、ぼくは「飲む」と答えるのと「飲まない」と答えるの、どちらが不良 にとって好ましいのか迷った。迷った末「うん、飲む」と答えると、何も言わず不良が紅茶を淹れ始めた。その横顔を見て「いらない」と答えたほうが正解だったか。と、焦った。
「やっぱりいらないや」慌てて言った。
「なんだよ、どっちだよ」不良は乱暴にティーバッグを缶の中に戻した。
嫌われたかもしれない。

 

自分は基本的に、大人数での飲み会やグループでの集まりよりも 1対1でのコミュニケーションが好きです。その方が自分の考えを言いやすく、相手も同じように本音を話してくれることが多いからだと思っていました。

それも間違いではないと思いますが、一方で、若き日の若林さんの不良に対する言動が痛いほど分かってしまって、つまり自分も、他人の正解に置きに行っているんだと突き付けられた。想定に近い反応が返ってくる=予定調和な状況に安心していた部分もあって、大人数になるとそれが通用しないから疲れたり不安になったり緊張するのだと気付かされた。

 

自分は「嫌われたくない気持ちが強い(から気を付けないといけない)」ことは自覚していたけれど、「他人の正解に自分の言動を置きに行っている」「言動をどこに置けばいいか分からなくてキョドっている」と具体的な「行動」として言語化されると、一層情けないような恥ずかしい気持ちになりました。

ブログを書いているくらいだから自分の考えを整理して発信することは好きだと思っていたけれど、相手が目の前にいない場で一方的に表明しているだけとも言える・・

年齢を重ねるにつれて、自分や親しい友人が理不尽な目に遭ったり挫折したりして、世の中に「自己責任」「自業自得」と言えないことが多いと分かってきた。そういう寛容さを身に付けながら年齢を重ねていきたいと思うと、自分の殻に籠らず、色々な人とオープンに関わっていきたいし、自分の正直な気持ちを手放さずに、その場を楽しむことを意識したい。

わたしも「世界を肯定できるおばさん」になっていきたい。